山下達郎といえば、クリスマスイブなどのヒット曲や、Kinki Kidsの「硝子の少年」を作曲したことでも知られるなど、日本を代表するアーティストである。
また、シティポップと呼ばれる都会的でオシャレな楽曲が海外にも広がり、その中心的なアーティストとしても知られるようになった。
「FOR YOU」を聴こうと思ったきっかけ
このブログでも何度か紹介している「シティポップの基本がこの100枚でわかる!」に山下達郎の「FOR YOU」が載っていたことである。
著者が100枚から1枚選ぶとしたら、悩みながらこのアルバムを選ぶだろうと書いていたので、聴いてみようと思った。
また、TVでも関ジャニ∞の音楽番組で山下達郎の特集がされており、様々なアーティストがリスペクトしていたことや、インタビュー映像を出さずに音声と写真だけという放送の仕方がどんな人物なのだろうかと気になったのはある。
さらに、地元のコミュニティFM三角山放送局では、山下達郎の私設ファンクラブの方々がパーソナリティーのラジオ番組がある。(サーフィンラビットステーション・毎週金曜日朝8:00~)
山下達郎以外にも同年代の邦楽、洋楽についても詳しくて、三角山ベストプレイリストという8時間特番を担当していたことも多かった。
聴いてみた感想
今は季節外れだけど、夏に聴くと気分が盛り上がりそうな音楽の作り方しているなあと思った。1曲目の「Sparkle」なんか、前奏のギターカッティングが気分を上げて、どんどん他の楽器も入ってきて盛り上がってきたところで、達郎さんが「七つの~」と歌いだすところなんかめちゃくちゃかっこいい。
他の曲も今聴いても古臭さを感じないし、一周回ってリズム感とか曲調とかむしろかっこいい。
洋楽的なリズムに日本語を載せるために、あのような独特な歌い方をしていると関ジャニ∞の番組で本人が話していたように思う。
曲間にあるアカペラも、本格的な合唱曲のように聴こえたが、本人が一人で録音してその音を重ねているのだから凄い。
サブスク未解禁について
山下さんは自身の音楽活動について、歌唱やインタビューなどの映像を見せない、ライブはホールのみ(アリーナ以上の大きさは音質が悪くなるため)、サブスク配信をしないなどこだわりを持っている。
サブスクについて、山下さんは以下のように語っている。
「だって、表現に携わっていない人間が自由に曲をばらまいて、そのもうけを取ってるんだもの。それはマーケットとしての勝利で、音楽的な勝利と関係ない。本来、音楽はそういうことを考えないで作らなきゃいけないのに」
時代の試練に耐える音楽を――「落ちこぼれ」から歩んできた山下達郎の半世紀(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)
表現に携わっていない人間=サブスクのシステムを作っている人間なのか、レコード会社の上層部なのかははっきりとはしない。ただ、音楽サブスクはアーティスト側へ還元される額がかなり少なく、(1再生当たり0.01円、CD1枚分の収入10円となるには1000回再生が必要)サブスクのシステム提供やレコード会社の取り分が多くなっているというのは指摘されている。
当然だが、サブスク解禁したくないというアーティストの思いは尊重されるべきだと思う。
ただ、収益が少ないほかにも、1曲単位で気軽に聴けるようになりアルバムを全曲通して聴かなくなるなどのデメリットはある。
しかし、「YouTubeなどのグレーなところで既に無料で楽曲が聴けるようになってしまっている以上、少しでも利益をアーティスト側に配分出来る点では悪くはない」という意見(YouTubeチャンネル:みのミュージック)もあった。
私も、音楽サブスクの有料プランに加入しているし、気に入ったアーティストについてはCDやレコードを所持している。
一般よりは音楽好きだと思うが、それでもCDやレコードから聴くという行為に面倒臭さを感じることがある。
プレイヤーを持っていることや、収納場所、ケースから出してプレイヤーにセットして再生するなどの行為をしなければ聴けない。でも、その面倒くささが音楽をきちんと聴こうというモチベーションにもなる。あとは、自分がファンとしてお金を出して買ったという満足感や貢献したという充足感もある。
サブスクは便利だが、ネットやスマホの普及でせざるを得ない側面があることや、アーティスト側の収益はかなり少ないことを音楽ファンは覚えておいた方がいい。
応援したいアーティストは自分の出来る範囲でライブへ行ったり(山下さんはなかなかチケットが取れないというのを見たことがあるが…)、CDやグッズを購入することをお勧めする。
参考HP